まなびやもも

香川県高松市で、
子どもが安心して過ごせる場所を

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2026.7.30

#こどもとの関わりを考えるエッセイ

子どもが「学校に行きたくない」と話したときに―不登校の子どもとの関わりを考える―

お子さまが「学校に行きたくない」と話し、学校に行けない日が続いているとき、保護者の方は、お子さまとどのように関わればよいのか分からなくなったり、不安になったりすることがあると思います。今回は、保護者の方が不登校のお子さまとどのように関わっていくのかについて、一緒に考えていきたいと思います。

「学校に行きたくない」という言葉の背景を考える

お子さまが不登校になったとき、そのきっかけについて考えることがあると思います。しかし、きっかけは不登校につながった出来事の一つであり、そこにはさまざまな背景が重なっていることがあります。実際、不登校は、友人とのトラブルや勉強が分からないこと、学校のルールが合わないことなど、さまざまな経験が積み重なって起こることがあります。

「学校に行きたくない」という訴えは、子どもにとって問題の始まりではなく、それまで抱えてきた負担が大きくなっていることを知らせるサインかもしれません。学校で楽しいと思えないことが増えていき、誰にも言わずに頑張ってきたけれど、もう難しいと感じたとき、お子さまが「学校に行きたくない」と言ったり、登校することが難しくなったりすることがあります。

そのため、「不登校のきっかけは何だったのか」だけではなく、「学校生活の中で、どのようなことが合わなかったのだろう」「どのようなことが負担になっていたのだろう」と背景全体に目を向けることで、子どもの悩みや苦しさが少しずつ見えてくることがあります。

子どもの言葉をゆっくり受け止めるために

次に、具体的にどのように話を聞いていくのかについて考えてみます。不登校の子どもにとって、家は安心して過ごせる大切な居場所の一つです。そのため、学校について話すことで親子関係が険悪になったり、お子さまが責められていると感じたりすることは、できるだけ避けたいところです。まずは、子どもの話を否定せず、ゆっくりと受け止めてみることから始めるのも一つの方法です。

お子さまの中には、学校のことを聞いても何も話さない子や、「分からない」と答える子がいるかもしれません。そのようなときは、無理に質問を重ねるのではなく、「まだうまく言葉にできないのかもしれない」「自分の中で一生懸命考えている途中なのかもしれない」と考えてみることで、少し立ち止まって、お子さまのペースを待ちやすくなることがあります。

また、お子さまが、保護者の方にとってすぐには理解しにくい話をすることもあるかもしれません。特に発達特性のあるお子さまの中には、音や光、人の多さ、予定の変更、学校のルールなどを強い負担として感じる子もいます。感じ方や考え方は一人ひとり異なるため、保護者の方がすぐに納得できるような答えが返ってこないこともあります。そのようなときは、「もっとほかに理由があるのではないか」と考える前に、まずは、その言葉がお子さまにとってどのような意味をもっているのかを考えてみることもできます。受け止めることで自分のペースで話しやすくなるかもしれません。

不登校にはさまざまな背景があるため、すぐにすべてを理解することは難しいものです。親子で正面から向き合って話すことだけが、話を聞く方法ではありません。一緒に食事をしているときや、車で移動しているとき、好きなことをしながら過ごしているときなど、親子ともに緊張せず、のんびりと過ごせる時間の中で、ふと話が出てくることもあります。「そうなんだ」と子どもの言葉を受け止めながら、話すことを急がず、話しても話さなくても一緒にいられる雰囲気をつくっていくことも、親子の関係を保ちながら話を聞いていく方法の一つです。

最後に

お子さまが学校に行けない日が続くと、「どのように声をかければよいのだろう」「自分の関わり方でよかったのだろうか」と、保護者の方も迷うことがあると思います。お子さまの気持ちは、すぐに言葉になるとは限りません。

すべてのご家庭に当てはまる一つの答えがあるわけではありません。学校へ行くことが難しくなっていても、その背景や感じていることは、お子さま一人ひとり異なります。そのため、関わり方にも一つの正解があるわけではありません。

ももでは、「こうすれば大丈夫」という答えをお伝えするのではなく、お子さまやご家庭のお話を伺いながら、一緒に整理しながら考えていきたいと思っています。話していくなかで、「学校へ行けない」という一つの困りごとのなかに、学習への不安、人との関わり、生活リズム、体調など、いくつかの要因が重なっていたことが見えてくる場合があります。

相談会も開催しています。私たちと一緒に状況を整理したりする中で、少し気持ちが軽くなることもあります。お子さまとの関わりに迷ったときや、誰かと話してみたいと思ったときは、相談できる場所の一つとして、もものことを思い出していただければ嬉しく思います。

執筆

香川大学大学院生 医学系研究科臨床心理学専攻

伊澤貴大|一般社団法人もも 代表理事。香川県高松市で、不登校やひきこもり、発達障害、家庭や学校生活で悩みや困難を感じている10代から20代を主な対象に、居場所活動、学習支援、相談支援を行っている。年代を問わず参加できるこども食堂などを実施。高松市若者支援協議会委員。