2025.1.30
中央共同募金会「居場所を失った人への緊急活動応援助成」
2023年12月から2024年12月の期間ご支援いただいておりました、中央共同募金会さまの助成事業が無事終了いたしましたので、活動報告をさせていただきます。相談支援約50名、居場所開所160回、ショートステイ・トワイライトステイを8回実施しました。
〇活動の成果
これまでの活動を通じて、多くの若者が困難な状況の中でも安心して過ごせる居場所を提供することができました。特に、相談窓口やショートステイを活用した柔軟な対応が、支援対象者の精神的な安定につながりました。例えば、自殺の危険が高い状況にあった若者に対して、LINEや電話での相談を通じて緊急対応を行い、無事に医療機関に繋ぐことができた事例は大きな成果の一つです。また、経済的困難や家庭環境の問題、健康上の課題など、複雑な背景を抱える若者に対して、個別のニーズに応じたサポートを行うことができました。
居場所やショートステイが「社会的処方」として機能し、若者が孤立することなく目標を見つけたり、精神的に安定することをサポートしました。このような取り組みによって、対象者自身が将来の目標や自己実現に向けて一歩を踏み出すきっかけを提供できたことは、私たちの活動の大きな意義です。
〇課題
活動を進める中で、いくつかの改善すべき点があります。まず、医療機関との連携がより円滑になることで、より良い支援が可能になると考えられます。例えば、主治医の変更が頻繁にある場合や入院計画にある診察が充分に行われていない状況では、継続的な治療方針を立てることが難しくなることがあります。若者は診察時間の中で困り感を伝えることが苦手なケースもあります。本事業では適切な医療につながり続けるために、情報共有シートなどを活用してコミュニケーションのサポートを実施しました。
また、家族のケアを担う若者ケアラーにとって、安心して休息できる環境や適切な支援を受けられる仕組みが整うことが重要です。彼らが自分の生活や成長を大切にしながら役割を果たせるよう、支援の充実が望まれます。さらに、進路選択や就労の場面では、保護者との意向の違いから相談が難しくなることがあり、若者が自分に合った選択肢を見つけるためのサポートの充実が求められます。
精神疾患や障害に対する理解を深めることも、より良い環境づくりにつながります。特に、家族や支援者が病気や障害についての知識を深めることで、周囲のサポート体制が整い、若者が安心して過ごせる環境をつくることができます。これらの課題に丁寧に向き合いながら、誰もが自分らしく成長できる社会を目指していきたいと考えています。
〇今後の活動
私たちはこれからも、困難な背景を持つ若者たちが孤立することなく、自分らしく生きる力を育めるような環境づくりに取り組んでまいります。一人ひとりの声に耳を傾け、彼らの未来を一緒に考え、支えるために、活動をさらに広げ、充実させていく所存です。 皆さまからの応援は、支援の継続にとって大きな力となっています。今後も、地域や社会全体で支え合い、より多くの方々が安心して暮らせる未来を目指していきたいと思います。引き続き、あたたかいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。
写真は若者と作ったチャームやミサンガ、食事です。お守り言葉を添えています。




